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    私と公『ザ・サークル』

     

    アブダビといえばアラブ首長国連盟の国で、いきなりアブダビの先付けから始まるこの映画の製作費の出どころでもある。

     

    予告編を見るだけで、なんとなく内容は想像される。

     

    アップル、グーグルのようなIT企業の新サービスを軸に、人間の私の部分と公の部分を描く映画だ。

     

     

     

    主演はエマ・ワトソン。

     

    水道会社の苦情相談係だった彼女は、友人の助けもあって最先端企業サークルの面接を受けることに。

     

    運良く採用された彼女は、トュルーユーというSNSの相談係となった。

     

    この会社サークルは、最先端企業だが、社内での評価獲得のためには常に外部の評価を上げていかなければならない。

     

    (まるでSNSで「いいね!」を獲得する競争のよう)

     

    そんな彼女に転機が訪れた。

     

    恋人が鹿の角で作った作品の写真をアップしたところ、それを見た人から「鹿殺し」と猛烈な批判が巻き起こってしまったのだ。

     

    それが原因で、恋人は彼女から去った。

     

    失意で夜の湾に漕ぎ出した彼女は、霧の中でボートと接触し、遭難してしまう。

     

    そこへタイミングよく現れた救助ヘリ。

     

    まさに危機一髪、命を救われた彼女だったが、実は会社の新商品の極小カメラが偶然にも彼女の姿を捉えていたからだった。

     

    翌日、会社のトップに呼ばれた彼女は、その極小カメラを身につけて、24時間私生活をシェアすることを提案される。

     

    こうして彼女の全てを常時中継し始める。

     

    瞬く間に全世界から注目されるなるが、彼女が見聞きしたものは同時に全世界の人が見聞きすることになる。

     

    さらに、その技術を進めた新サービスで、人探しの実証実験をする羽目になり、全世界の人の目の間で、かつての恋人は事故死してしまう。

     

    失意のどん底で、彼女が思いついた行動、それは会社のトップの機密をも透明化するというとんでもない復讐であった・・・

     

     

     

     

    ちなみに、僕自身、SNSには飽き飽きしている。

     

    最初は面白がってやり始めたものの、次第に「いいね!」を強要されたり、自分自身の投稿への反応を気にしたりするのが面倒になってきた。

     

    ツイッター、facebook、インスタグラム

     

    正直言って、どれも面倒くさい。

     

    だいたい、他人が何を食べたとか、どこへ旅行したとか、どうでもいい。

     

    (中には、ためになることもないでもないが)

     

    そのため、僕自身はマラソンのときぐらいしか投稿しないし、他人の投稿も電車の中で斜め読みするだけ。

     

    それでも、ごくたまに親しい人の投稿に「いいね!」を押したりすると、そのあとしばらく巻き込まれる羽目になる。

     

     

     

    一方で、全くSNSなんかやらないという人がいる。

     

    「なんで、自分がどこで何をしていたのか、他人にバラさなきゃならないわけ?」

     

    とは、そういう人の弁だ。

     

    確かに、その通り。

     

    別に、誰と会おうが、何をしようが、いちいち他人に報告する必要などない。

     

     

     

    現代は、このどうでもいいプライバシーをシェアすることが「人付き合い」だと思われている風潮がある。

     

    実際、年賀状のやり取りしかない人の近況を知ることができるのは悪いコトではない。

     

    でも、それをどこまで知るべきか、知らせるべきか。

     

    本作では、いわゆるディストピアとしてのシェア社会の破綻をテーマにしているが、まあ、正直言って最初から結論は解っている。

     

    それがこの映画をつまらない映画にしてしまっているのだろう。

     

    10年前ならば、あるいはあったかも?と思いつつ、現実はフィクションよりも速く変化していることを忘れてはならない。

     

     

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    | 座付き作家 | 映画の感想 | 08:56 | comments(0) | trackbacks(0) | - |
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      あゝ、荒野 後編

       

      見たい映画なのに、時間が合わないことが多い。

       

      公開スクリーン数が少ない映画の場合は、なおさらだ。

       

      『あゝ、荒野』前編を見て、すぐさま後編を見たかったのだけれど、何せ前後編合わせて5時間を超える映画だ、まとめて見るタイミングがなかった。

       

      気がつけば2週間も間が空いてしまい、おかげで前編であれほど高ぶった気持ちも、波が引くように収まってしまった。

       

      しかも、もともと少なかったスクリーンがさらに減って、渋谷シネパレスが近場で唯一の劇場になっていた。

       

      あら、ま・・・

       

      このままでは見逃してしまうと、一念発起。

       

      無理やり時間を作って見に行ってきた。

       

       

       

       

      新宿新次(菅田将暉)とバリカン健二(ヤン・イクチェン)の、その後が始まった。

       

      デビュー戦を勝利で終えた新次は、因縁の相手・雄二とのマッチ戦に臨む一方、初戦を負けで迎えた健二は戦う意味を見失いつつあった。

       

      健二は、戦う相手を憎むことができずにいたのだ。

       

      しかし、ジムに倉庫を貸していた2代目が健二に目をつけ、こっそりと健二を引き抜く。

       

      一人残された新次は、因縁の相手とのマッチに挑み、半ば半殺しにしてしまう。

       

      そして、ついに新次と健二がリングで向き合うことになる・・・

       

       

       

      と、後半ではボクシング映画としての色を濃くする本作。

       

      チンピラ仲間だった雄二との喧嘩ボクシング。

       

      そして、かつての兄と仰いだバリカン健二との死闘。

       

      なぜ戦うのかという疑問は残るものの、男と男がリングで殴りあうボクシングというスポーツの面白さを十分に堪能させてくれる。

       

       

       

      ただ、5時間を見終わって思うのは、菅田将暉とヤン・イクチェンの二人ではなく、新宿の変わりようだ。

       

      寺山修司が描いた新宿は、赤線の残りがあり、小便くさくて猥雑な新宿だった。

       

      そう、ショーケンと水谷豊のドラマ「傷だらけの天使」の新宿。

       

      本作に描かれる新宿は、夜景としての新宿、高層タワーが立ち並ぶ新宿であり。

       

      さらに本映画が設定した近未来の新宿という設定が、結果的に新宿の闇を薄くしてしまったのではなかったか。

       

      寺山修司が荒野と呼んだ新宿こそが、本作の主人公であったと思っている。

       

       

       

       

       

       

       

       

       

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      | 座付き作家 | 映画の感想 | 07:25 | comments(0) | trackbacks(0) | - |
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        あの人の誕生日

         

        11月18日生まれの有名人と聞いて、ピンと来る人は通に違いない。

         

        厳密には人ではないけれど、今週の土曜日、11月18日で89歳になるのがミッキーマウスだ。

         

         

         

        その年齢を聞いて驚くが、キャラクターは人と違って歳をとらないこともよくわかる。

         

        ミッキー氏は、後期高齢者の今もバリバリ現役である。

         

        さすがに初期のように飛行機に乗ったりと言った無茶はしなくなったが、今なお永遠の恋人ミニーと仲睦まじくやっているらしい。

         

         

         

        TOHOシネマズ六本木に、そんなミッキーマウスの誕生上映会のポスターを見かけた。

         

        いや、正確には随分前から掲出されていたのだが、興味外だったためかスルーしてきてしまった。

         

        それが、つい先週、キャラクターの授業中で11月18日がミッキーの誕生日だと教えたばかりだったことで、視界の隅に映ったポスターにはたと足が止まった。

         

        おお!

         

        そういうことか。

         

        誕生日に上映会とはシャレてるんじゃないか。

         

        上映するのは「蒸気船ウィリー」を始め、数々の短編作品に加えて「ミッキーのクリスマスキャロル」と書いてる。

         

        ああ、確か子供達が小さい時にビデオで見せた記憶がある、ある。

         

        ちょっと、見に行ってみようかな。

         

        そう思いついて、チケット売り場で尋ねてみた。

         

         

         

        売り切れです。

         

         

         

        え?売り切れ?

         

        とっくのとうにチケットは販売終了しているとのことで、改めて根強いファンがいることに驚かされた。

         

        そりゃそうだよ、世界中で知られた有名キャラクターだもの。

         

        来年、ミッキー90歳の時は、少し早めにチェックして行ってみようと思っている。

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        | 座付き作家 | 映画の感想 | 07:23 | comments(0) | trackbacks(0) | - |
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        【お知らせ】けんぞー武者修行#1「ノート」公演
        前作「南瓜」から1年半。今回から"けんぞー武者修行"と銘打って、役者・建蔵が可能性を広げるべく挑みます。 第一弾はなんとピアニスト糸井恵理子さんをお迎えして、フランツ・リスト他の演奏とのコラボレーション。 どんな舞台になりますか、乞ご期待。 「ノート」公演概要 2014年4月5日(土)14時/18時 開場は30分前 両国門天ホール 前売り2,800円(税込)当日3,000円(税込) 出演:建蔵 糸井恵理子 作・演出 平岩モトイ ご予約:amd.ara@ezweb.ne.jp (折り返し確認メールが行きます)
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